ザ・タイガースのお話

先々週のNHKラジオ基礎英語講座で「I have liked **** since ++++ debut」という構文が出ていました。

「デビュー以来****さんが好きでした」という意味です。 現在完了形の復習するのにちょうど良いと考え、さっそく試してみました。 生徒さん一人一人に、自分が好きだった歌手や俳優の名前を****のところに入れ、皆の前で発表してもらうのです。 (++++の部分は男一人なら his、 女一人なら her、 複数ならtheir となります)

 

するとあるクラスで珍現象が起こりました。

まず一人目が 「I have liked Jury since his debut」(デビュー以来ジュリーが好きです。)

それに触発されたのか、二人目が

「I have liked Toppo since his debut」(デビュー以来トッポが好きです)

三人目

「I have liked Pee since his debut](デビュー以来ピーが好きです)

教室内にいた6人全員が一斉に大笑い・・・なんのことかわからない人たちのために説明しますと、

ジュリー、トッポ、ピーとは、かつて一世をふうびしたグループサウンズ「ザ・タイガース」の面々。

tigers

 

そういや生徒の皆さんはみんな60歳前後。あのころ10代で、キャーキャー金切声をあげていた世代なんですね。

 

しばしの間、雑談に花が咲く。

「むかし旭川の公会堂でコンサートしたの。アタシ学校サボって見に行っちゃった。」

「へえ、すごいわねえ。どんなだった?」

「もう全っ然歌が聞こえなかった。叫び声だらけで」

「そういえば今年の秋に全国ツアーやるんだって、オリジナルのメンバーで」

「札幌にもくるみたいよ」

「行ってみたいねえ、でも太ったジュリーは見たくないワ」

おいおいいつまで話しているんだっ! 勉強は勉強ッ!

 

 

 

 

 

 

なんとかしてくれこの雪~

130314_0845

 

朝活コースのY子さんがレッスンを終え、仕事場に向かうところを窓から撮りました。(エッなに? 盗撮? 本人写ってないからいいでしょう、このくらい)

ただいま午前8時30分、彼女はこれから8時間勤務をして、それから仲間とバスケをするんだそうです。

出勤前に英語の勉強をして、勤務後にスポーツをする・・・エネルギッシュだわー。

それにしてもこの雪、なんとかならない?

 

東京じゃ25度を記録、福岡では桜満開だっていうのに。

英語がだんだん好きになってきたよ!

Fさんは大学受験生。 難関大を目指すだけあって頭が切れる。 だが現役で挑んだ大学は失敗に終わった。原因は英語、大の苦手科目だったのだ。 苦手を克服し、来年こそは栄冠を勝ち取りたい、と門をたたいてきた。

 

なぜエイゴ嫌いになったのか?、を分析すべくセンター試験過去問を解かせてみる。

すると彼女、たった二問で目をしょぼつかせ、大あくび。集中力がまるでない。

いつの時点で嫌いになったのか、さぐってみたところ、中学の時の英語教師が人間的に大嫌いだったと語り始めた。 顔を曇らせ、視線を下げるFさん、当時を思い出しているのだろう。今でもその先生が大嫌いなのがうかがえる。

なーるほど、ボウズ憎けりゃ袈裟まで憎いってやつだ。これは根が深い、定石通りの勉強法など通用しないだろう。なんとか奇抜な方法で、やる気を引き起こさなきゃ。

「今までに、何か夢中になったものってあるかい?」さりげなく話題を変えた。

「あるよ、ハリーポッター!」視線を上げ、いきなり大声でこたえる。 「小学校の時に本を読んだし、映画も全部見た。ええとね、一作目が賢者の石でしょう、二作目が秘密の部屋・・・」 たてつづけにしゃべりまくり、とまらない。それにしても活き活きした表情だ。よっぽどハリポタが好きだったことがわかる。

そうだ、これだ。 ヒラメイた私は彼女に「どうだい、しばらく入試のことは忘れてハリポタの原書を読んでみないか?」とたずねてみた。いやがるかな?と思いきや彼女の返事は「ウン、やってみる。」

 

翌週、ペーパーバックを持って現れた彼女。

Harry_Potter_and_the_Philosopher's_Stone

さっそく1ページ目から読み始めた。彼女に声を出して一文ずつ読ませ、それを黒板に書き取り、意味を確認する。発音をまちがえたところは3回繰り返す。 地道な作業だ、だれだって眠くなるだろう。だが彼女はあくびもしなければ、まばたきもしない。ハリポタの世界にひたっているのだ。

また、すでに日本語版の本を読んでストーリーが頭に入っているので、英単語や文法知識が乏しくても英文原書がほぼ理解できている。 ほんの数ページの中に、大学入試に必修のイディオムが多く出てきた。

Not only XXX but also OOO  (xxx だけでなく ooo も)

not until ++++ that **** (++++して初めて**** になる)

As soon as (するやいなや)

 

「なつかしいなア、高校の授業でこんな表現が出てくるたびに吐き気がしたよ。」とFさん。 「でも今はなんでもない。英語が好き、とまでは言えないけれど、以前ほどキライじゃなくなってきた。せんせい、ありがとうね。」

そうだそうだ、その意気だ!

もうしばらくはハリポタの世界で英語を楽しもうじゃないか、もっともっと英語が好きになるから。

いいか、受験目的なんてケチなことを言っちゃだめだ。君は若い。世界中の人々と将来コミュニケートする手段として英語力を身につけるんだ。 こんなことを心に念じながら今日も黒板にむかってチョークを握る私です。